とても珍しい結果となった2010年のオークス

そんなことがあるのかと驚愕してしまうような場面を目にするのは、競馬観戦をしていておもしろいと思えることのひとつです。特に競馬場で実際にそのレースを観戦していれば、その記憶はいつまでも残ります。そのぐらい貴重な体験です。ここ何年かの競馬で私がその体験をしたのは、2010年のオークスです。2010年のオークスは、とても珍しいGⅠレースでの1着同着という結果になりました。2010年のオークス馬は、アパパネとサンテミリオンの2頭です。こんな珍しいことは私のそれなりに長い競馬人生でも初めてで、顎が外れるぐらい本当に驚きました。

後に三冠牝馬となった名牝のアパパネですが、このときのオークスでは血統から距離不安説がささやかれていました。父のキングカメハメハはともかく、母系から2400mという距離が厳しいだろうと思われていたのです。私の予想も、マイラー色の強いアパパネはオークスで厳しいという予想をしました。実力差で勝つかもしれないけどあっさり惨敗もありえる、競馬予想の印で言うなら単穴までの評価にしかできませんでした。となれば、本命は桜花賞組より別路線組からが良いだろうという考えに至り、サンテミリオンを本命にしました。サンテミリオンはオークスの前走がトライアルのフローラSで、そこを快勝してオークスに臨んできました。その臨戦過程やレースぶりはオークスでも十分通用すると思いましたし、オークスの本命に相応しいと思いました。

レースでは、最後の直線でアパパネとサンテミリオンが馬体をピタリと合わせる形になりました。どちらが振り切るのでもなく、そのままの態勢でゴールインしたのです。こうした接戦ではスローモーションの映像を観ればだいたいどっちが勝ったかは判別できるのですが、このときばかりはできませんでした。そのぐらい鼻面を合わせたゴールインだったので、どうなったのかわかりませんでした。ただ、私はサンテミリオンからアパパネへの馬連を勝っていましたので、馬券が当たったことだけは確信していました。そして、結果は世にも珍しいGⅠでの1着同着となりました。どちらも、晴れてオークス馬になったのです。

振り返ってみれば、このときサンテミリオンのみがオークス馬になっていたら、アパパネの三冠制覇はなかったことになります。アパパネにとっては正直2400mが長かったのは確かだと思いますが、それでも地力でよく頑張っていました。ですので、このレースは数あるレースの中でも忘れられない体験です。